冬から春にかけて、ボンディングコートが出回ります。
ボンデイングコートとは、厚めでハリのある生地で、とってもスタイリッシュ!
マッキントッシュのボンディングコートも有名ですよね。

でも、このボンディングコート、実はクリーニング屋泣かせ。

クリーニングトラブルの多い問題児なんです。
クリーニングに出そうとしたら、断られる事もしばしば。

クリーニング後ポコポコ気泡が入ったり、ベタベタ黒ずんだり、ペラペラ剥がれたり・・・
いったいどうしてこうなるの?!

その原因を調べて、トラブルを回避する方法を探ります。

ボンディングコートとはなんぞや??

ボンディングとは、「Bond(糊で貼る)+ing(張り合わせる技・素材)」のことなんです。
性質の違う2種類以上の素材を、接着剤で張り合わせたものをボンディングと呼んでいます。

ハリがあってスタイリッシュなので、主に男性用のトレンチコートに使われています。
接着剤のポリウレタンが、風を防いでくれるので温かいですよ。
その他にも、女性用スプリングコートやスカートなども素敵です。

目次に戻る

ボンディングは傷つきやすく短い命

しかし、ボンディング製品は他に類をみないほど弱点が多い素材なのです。
ボンディングの寿命は一般的に2~3年といわれ、極端に寿命の短い特殊な繊維です。
しかも、製品ができてから3年ではなく、生地ができた時から3年の寿命なんです。

通常は生地ができ、デザインから製品になるまで1年程度かかります。
つまり、手元にきた時にはすでにかなりの寿命が費やされているんですね。

ボンディングは違った素材を2枚以上貼り合わせます。
品物によって、なにを・どのように・いくつ張り合わせているかが違います。
このため、貼り合わせた素材によって耐用年数が違うのです。
その後の扱い方によってももちは違いますが、7,8年も着られるものもあるようです。

目次に戻る

ボンディングコートに起こりやすいトラブル

ボンディングのトラブルとしてはこんな例が多いです。

  • 剥離・・表面にポコポコと気泡ができる
  • (接着剤が剥がれて、そこに空気が入ってしまう。)

  • 硬化・・剥離の前兆
  • (生地が硬くなる。)

  • ゆがみやよじれ・・剥離の前兆
  • (生地が波打ったり、ねじれたりする。)

  • べたついて黒ずむ
    (接着剤が溶け出た部分に汚れが付着する。)

これらのトラブルは、大抵はいくつか同時に起こってしまってやっかいです。
ましてや、クリーニングがきっかけになって症状が出ることも少なくないのです。

ですから、クリーニング店では起こりうる状態を全て説明をします。
その上で了解をもらえる時だけお預かりするか、最初からお断りするか、どちらかです。
ただ、店員さんの知識の差で説明が不十分だったり、誤解が起きたりする事もあるようです。

目次に戻る

トラブルの原因になるボンディングの弱点

  • 雨や汗、水に濡れると、接着剤が剥がれてしまう
  • 洗剤やクリーニング溶剤との化学変化がおこり、剥がれてしまう
  • タンブラー乾燥による高熱で剥がれてしまう
  • 強い紫外線で、接着剤が剥がれてしまう
  • 素材同士の伸縮率の違いで、伸び方が変わり片側に反り返ってしまう

ざっとあげただけでも、ボンディングには弱点がこんなにあるのです。
また、いったん寿命を迎えると、もう元には戻らず、修理はかなり難しく費用もかかります。

目次に戻る

ボンディングは日本の気候風土と相性が悪い

日本ではこれだけトラブルの多いボンディングですが、不思議な事に他のファッション都市ではほぼクレームはないそうです。

その原因は、日本の高温多湿な気候が接着剤を溶かし、劣化が速いと考えられます。
パリ、ニューヨーク、ミラノ、ロンドンと並ぶファッション都市東京は、温帯モンスーン気候帯の唯一の都市です。

品物の品質に欠陥があるわけではないが、もともと2,3年といわれる短い寿命に、日本特有の気候が悪条件が重なった結果なんですね。
すなわち、日本には向いていない素材ということになります。

目次に戻る

ボンディングコートを長もちさせるために

少しでも長く綺麗に着るために、自分が出来る事は次の通りです。

  1. クリーニングに出す際には「ボンディングです」と申告する。
  2. 雨の日は着ない。
  3. 汗や水分を避ける。
  4. タンブラー乾燥はしない。
  5. こすらない。
  6. 日陰に保存する。
  7. 乾燥させた状態で保管する。

一つ一つを守って気をつければ、寿命の短いボンディングも延命になりますよ。

目次に戻る

それでも汚れてしまったら・・・

記事にも書いたように、ボンディングコートは濡らさず、汚さず、擦らないのが基本です。

それでも着ていく以上、汚れてしまうのはしょうがないですよね・・・
汚れてしまったら捨てるわけにはいかないので、やはりクリーニングは必要になります。

そこで大切なのは、クリーニング店の選び方と出し方です。

  1. ボンディング生地の特性をよく理解してくれるクリーニング店を選ぶこと。
  2. クリーニング店に「ボンディング生地であることをしっかり伝えること。

ここをポイントにしてクリーニングをするようにしましょう。

いま自宅で申し込んで、自宅で引き取れると人気の「宅配クリーニング」にもよいもの、大切なものを安心して預けられると評判のピュアクリーニングがあります。
そちらのレビュー記事も併せて読んでみて下さいね。

目次に戻る