12月28日のYAHOOニュースをみて心がざわついた。
そのニュースがこれ!
(出典元:YAHOOニュース悪徳クリーニング店の見分け方の記事)
筆者、はばかりながらチェーンクリーニング店の1店舗を任されていた時期がある。
少しのクリーニング知識をもち、業界の内情の一部を垣間見た経験がございます。
「悪徳クリーニング店」残念ですがそれは確かにあるんです。
洗ったのかよくわからない位にそのままで返ってくる、嫌な臭いがする、汚れが全く落ちていない、などの声も聞いたりしました。
そして「悪徳」とまでいくか?いかないか?というクリーニング店があるのもまた事実・・・
では、「どうやってその悪徳業者を見分ければいいの?」
その答えを探して、私なりに考えてみました。
良いクリーニング店の見分け方
クリーニング店を選ぶ時、大体は受付の人の接客で選ぶ方が多いですよね。
勿論それも大きなポイントです。
でも愛想がいい!それだけではダメなんです。
受付はクリーニングの処理方法や質問に応えられるか?
まず、受付の人がクリーニングする品物についての質問に応えられるかどうかは大事なポイントです。
クリーニング店の受付の多くは、アルバイトやパート店員です。
きちんとしたお店は、アルバイトやパートでも研修や教育がなされています。
クリーニング前にできる事、できない事、心配される事などが説明できるかどうか?はポイントです。
例えば、「このシミとれますか?」といった質問をしたとします。
その時に「とれます」と安易に応えるのも、「とれません」と決めつけ、有料のしみぬきオプションを勧めるのもNGなお店だと思います。
逆に、このシミは「いつついたのか?」「何がついたのか?」をしっかりと聞き取って、その情報から現時点で考えられる可能性(リスクを含めた)を説明できるなら、第一関門クリアです。
もし、わからない場合も安易に応えず、すぐに技術者に連絡をとってくれるなら更に信頼度は増しますね。
シミは原因も時期も様々で、「やってみなければわからない」のが正直なところでしょう。
ただ、あまりにひどいケースを除いて「こういった方法でやってみましょう」という提案と意欲があるお店はいいお店だと思います。
技術者(工場)に確かな技術があるか?
受付の人がいかに愛想がよく知識があっても、肝心の工場に技術がなければお話になりません。
工場に正しい腕があるか否かを確かめるには、男性はWカフスのシャツかカジュアルシャツ、女性はフリルのブラウスなどを出してみるといいですよ。
今、ワイシャツなどは機械化されていて誰がやっても仕上がりに差はありません。
でも、カジュアルシャツやブラウスは手でアイロンをかける商品です。
特にフリルや切り替えがあったりするものは、職人さんのよって差がでます。
その仕上がりをみてみてください。
あと、袖口や襟の汚れも確認してみて!
ただ洗うだけでなく、キチンと前処理されていれば皮脂汚れはとれるはずです。
でも、かなり着込んで古くなったシャツは、繊維が広がって劣化し、汚れが奥に入り込んでいます。
2年以上来ている物や、着用頻度が高いものは汚れは落ちにくいと思った方がよいです。
苦情を申し立てる張り紙がされているか?
もし万が一、不満や疑問などがあった時に苦情の申し出先が店内に掲示してあるか?は大事なポイントです。
明示されるべき項目は、クリーニング所の名称 ・所在地 ・電話番号です。
お店からもらう預かり票に記載されているお店もあります。
これらが張り出されているお店は、トラブル発生時に対応する意志がありますよね。
どんな対応をするのかはお店にもよりますが、決まりを守る姿勢が感じられて好印象ですね。
信頼の証のステッカー??
東京都の場合、東京都福祉局主催のクリーニング師講習、業務従事者講習が年1回あります。
これはクリーニングに携わって、初年度に1回、あとは3年に1回受講するものです。
ちなみにクリーニング師講習は工場の技術者、業務従事者講習がカウンター受付が対象です。
それを受けた人がもらうステッカーがこれで、店頭に貼ってあるのを見ます。
【クリーニング師講習・業務従事者講習修了者証】
クリーニング店に行くと、このステッカーを貼ってあるお店を見かけます。
このステッカーが貼ってあると、なんだか信頼感がありますよね~
でも実はこの講習、案外寝てる人も多いし・・・
まぁ決まりだからやらされてる印象は正直否めない。
このステッカーがあるから安心とは言い難いかもしれません。
むしろこちらのマークに注目!
クリーニング業界にも、様々な証書や資格があります。
そのなかでもこれらは信頼に値するステッカーです。
もし店頭に貼っていない時は、組合に入っているか?保険に入っているか?を聞くのもいいですね。
エルマーク
LDマークとは、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が作成した、47都道府県共通の組合加盟店を表すシンボルマークです。
組合に加盟している「LDマーク」店は、新しい素材や加工などに応じた「洗い技術」を学んで、質の高いサービスを提供する努力をしています。
もちろん、クリーニングトラブルが発生した場合の対応も「クリーニング事故賠償基準」に基づいています。
Sマーク
Sマークとは、厚生労働大臣の認可を受けて設定されている標準営業約款制度に登録されている店舗のシンボルマークです。
Sマークは「Safety=安心であること」「Sanitation=清潔であること」「Standard=確かな技術であること」を表します。
登録には様々な基準があるので、ある一定の信頼は得られています。
Safety=安心であること
Sマーク登録店は万一事故が発生した場合、損害賠償責任保険に加入していて安心です。
Sanitation=清潔であること。
Sマーク登録店は、衛生的なサービスを提供出来るよう営業施設や設備の基準があって清潔です。
Standard=確かな技術であること。
Sマーク登録店は、標準的なサービスを提供出来るように基準が細かに決められていて技術が確かです。
料金だけでお店を決めるのは危険!
いかがでしたか?
一口に「悪徳業者を見極める」と言っても、そう単純でもありませんよね。
とにかく、クリーニング料金が安さだけで決めるのは危険です。
クリーニング料金が極端に安いお店は、しなくてはいけない作業を省略して、コストを最小限にしているかもしれませんよ。
クリーニング料金って、とってもわかりにくいですよね。
それは、クリーニング店によって、コストのかけ方が違うからです。
溶剤管理にコストをかける、しみ抜きの特殊技術の習得に費用をかける、カウンターの接客技術に力を入れる、など様々です。
コストのかける部分によって、クリーニング料金にも差が出るんです。
とにかく衣類をしっかり丁寧に仕上げたい。
親切な接客をして欲しい。
特別なしみを綺麗にして欲しい、など自身のニーズにあったお店を選びましょう。
自分の希望はしっかり伝えることも大事
クリーニングトラブルは「誤解や勘違い」から生まれることが多いんです。
自分の希望をしっかり伝えないと、受付の人との誤解が生じがち・・・
ここで遠慮したり、言わなくてもわかるでしょ!は通じません。
また最低の料金で最高の技術を求められても、それは難しいこともあります。
例えば3,000円持ってヴィトンのバックを買いに行っても買えませんよね。
それなりの技術には、それなりのコストもかかるので、よく質問して説明を聞き、納得した所へお願いする。
これが悪徳業者を見わける近道かもしれませんね。