こんにちは!元クリーニング店長のザブ子です。

さて、みなさん?クリーニング店で一番多いクレームはなんだと思いますか?
答えは、おそらくワイシャツやスーツのボタン割れじゃないでしょうか。

ボタンって弁償してくれるの?

ボタンは消耗品ですので、保証の対象外ですって言われちゃう事がほとんどですよね。
よくあるボタン割れの疑問をザブ子が語ります。

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スーツの水牛ボタンが割れた

とある日曜日の昼下がり、お得意さまの男性がお店に来店なされた。
年の頃は45、46のその男性は、ある会社の社長さんでかなりのナイスガイなんです。

その男性と店員との会話

男性「このスーツみてよ・・・ボタンが割れているんだけど・・・」
店員「あぁ、そうですね~」
男性「このままじゃ着られないんだけど」
店員「ボタンは消耗品なので、保証はできません」(なぜか自信満々)
男性「じゃあ、どうすんの?お宅が割ったんでしょ?(小怒)」
店員「そういわれましても・・・保証はできませんけど・・・」
男性「ボタンを直すか、スーツごと買い替えるか、どっちかだよ(大怒)」
店員「・・・・・」(ひたすら黙る)
男性「とにかく店長を呼べヽ(`Д´)ノ(怒爆弾)」

普段は穏やかな紳士であったその男性は、お気に入りのスーツのボタンを割られ、店員の対応も輪をかけて怒りを爆発させた。
百貨店のオーダーであったそのスーツは、運よく同じ種類の水牛ボタンが手に入り、付け替えをして無事に解決した。

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なぜボタンは割れたのか?

スーツの耐用年数は夏物で2年、冬もので3年といわれ、ボタンはそれ以下と考えられます。

ボタンは割れにくいと言われるプラスチックでも、乾燥や高熱、圧力などで当然劣化します。
100円ショップのプラスチック製品も、やはり長持ちはしませんよね。

クリーニングの場合は、洗う時の衝撃、乾燥の高熱、プレスの圧力とボタンへの負荷はかなり高いのです。

ただ、クリーニングの技術者もプレス機の当て方など工夫は出来るし、プレス機のパットの定期交換でボタンへの当りを柔らかくしたりする努力はしてもらいたいですね。

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ボタンの素材

ボタンの素材にもいくつかあって、ワイシャツならプラスチックボタンと貝ボタンが主です。
スーツならプラスチックと水牛が多いです。

ちなみに、貝ボタンは高級ワイシャツの代名詞と言えますね。

スーツもやはり、高価なものは水牛ボタンが使われています。

しかし、いずれも高級素材の方が割れやすいのです。

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水牛ボタンの特徴

独特の柄で、天然もののため、同じ柄が2つとないのが魅力です。

水牛ボタンは熱に弱いです。
また水で洗ってしまうと表面の油が抜けて、艶がなくなってしまいます。

私は、クリーニングの時はアルミを巻いて出します。
こうすれば、熱と力と艶が無くなるのを多少防げます。

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貝ボタンの特徴

プラスチックにはない、独特の光沢がたまりません。

プラスチックボタンは1つ1、2円と言われますが、貝ボタンは200円~500円するものもあるんですよ。

比較的熱には強いのですが、衝撃に弱い弱点があります。
特に、貝は層になっているので、急所にかかった少しの衝撃でも欠けてしまいます。

本来、貝ボタンを割りたくないなら、クリーニングに出さないのが一番です。
それほど貝のボタンは割れるのです。

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ボタンを割らないために自分で出来る事

  1. アルミでくるんで出す。
  2. 手仕上げのコースで出す。
  3. 厚みのあるボタンのものは買わない。(厚いとプレス機に当たりやすい。)
  4. 丸みのあるデザインボタンのものを買う。(角がプレス機に当たります。)

それでも、完全に割れを防ぐ事はできません。
あくまでもボタンは消耗品である事をご理解下さいね。

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